2×4工法とトラス工法の併用で
大空間も建築可能に
近年、木造技術の飛躍的な向上により、木造でもロングスパンの建物を建築できるようになりました。
ロングスパンの建築の際には、2×4工法とトラス工法の併用で建築します。
2×4工法とは、四方の壁4枚と天井と床、合わせて6枚で空間を構成する構造体をつくる方法です。
柱や梁で建物を支えるのではなく、壁で建物を支える工法のため、地震などの揺れに強いのが特徴です。
トラス工法とは、東京タワーや鉄橋などにも用いられる工法で国内でも多数の施工実績があります。
「トラス」という三角形を単位として構成されています。
三角形に組むことで各部材にかかる荷重が分散され、バランス良くつり合い、構造の安定を図ることができます。

木造のメリットについて
02
建物が軽く工期が短い
木材は、鉄骨やRCと比較して単位面積あたりの重量が軽いため、建物を支える基礎重量も小さくて済むという特徴があります。
それにより、基礎工事の手間がかからず、地盤改良工事が不要な場合が多い為、工期を短縮することが可能です。
工期が短いことで早期の事業スタートができることや、余裕をもった事業計画が組めることが木造を採用するメリットの一つになっています。

03
節税効果がある
減価償却が早い
木造22年、鉄骨34年・RC39年
(倉庫の場合)木造15年、鉄骨31年、RC造38年
固定資産税が安い
鉄骨造の45%、RC造の47%安

木造倉庫は減価償却期間が15年と短いため、15年間は毎年利益を圧縮して経費として計上することで節税することが可能です。
また、木造の場合、制度上では経年劣化が早いとみなされるため、RC造や鉄骨造よりも納税額をおさえることができます。参考ですが、同じ床面積
の木造とRC造を運用した場合、木造の納税額はRC造の約3分の2に収まります。その分、収益を残すことができます。
04
断熱・気密性が高い
木は他の材料と比較して熱伝導率が低く、RC造の10倍、鉄骨造の330倍程度の断熱性があります。
外気が部屋の中に入ってこないため夏場は涼しく冬場は暖かい、利用者や働く方にとって快適な空間をご提供することが可能です。
事業運営にとって省エネ性が高い建物は電気代を抑制することができ、ランニングコスト削減にもつながります。

05
火に強い
木は燃えやすいというイメージをもたれがちですが、木造の建物は人命を守る為、主要な構造が「燃え抜けない」「燃えて壊れない」などの性能を
確保することが法律で定められています。
木は着火すると表面は燃えるものの、表面に空洞を持った炭素化を形成します。これは断熱材にも似て、熱が木材内部に侵入するのを防ぎ、なかなか燃え進みません。つまり、木は表面が燃えてもゆっくりと燃え「燃え抜けにくい」性質をもっています。

06
施工性が高い
木造は鉄骨造やRC造に比べ施工性が高い為、用途に応じた改造・増減築など、需要に合わせた改装が可能です。
RC造であれば壁一枚の開口工事にしても約1000万円かかるものが、木造では数十万円程度の安価で済みます。
また改装が容易なことで工期も短く済み、運営に与える影響も少なく済みます。
長く事業を継続していくにあたって、運営状況に合わせて改装しやすいことは、大きなメリットです。

07
強度・耐震性がある
木材は他の建築資材と比較して強度があります。単位体重当たりの強度を比較すると、引張比では鉄の約4倍、コンクリートの約200倍、圧縮比では鉄の約2倍、コンクリートの約9倍、曲げ比では鉄の約15倍、コンクリートの約900倍にもなります。つまり木材はより少ない材料で強いものをつくることができるのです。
-
木特有のしなやかさに加え、パイプのような細胞が無数に集まって出来たハニカム構造であることが、軽くて強い理由となっています。
飛行機の翼の断面もハニカム構造で構成されています。 -

また大規模木造建築で使われる2×4工法は、「面」によって六面体の箱を組み立てるように造ります。
このような構造を「モノコック構造」といい、地震に強い造りになっています。
-
地震の力を面で建物全体にバランスよく分散させる為、一点にかかる力が小さく済み、倒壊リスクが減少します。
-

08
調湿性・吸音性がある
-
木材は調湿性能があり室内の湿度を保つ役割があります。
それにより、結露の防止、カビの防止、空中浮遊菌の抑制など快適な住環境に繋がります。
また、一般的な断熱材である石膏ボードは湿気に弱い為、調湿性のない鉄骨造やRC造で建築する際は、入念な湿気対策をする必要があります。 -

また、木材には音を吸収する働きがあります。鉄骨やコンクリートは音をほとんど吸収せずに跳ね返すため残音が残りますが、室内に木材を使用した場合、不快な雑音がまろやかになります。
これは、木材が多孔質の材料であるからこそ得られる特性で、目には見えないミクロの孔がそのような効果を生み出してくれています。

09
環境に優しい
木はCO2を吸収してO2を放出し炭素Cを蓄え、製材した後も炭素を蓄え続けます。
木造住宅の1戸当たりの炭素貯蓄量は約5.5トンといわれており、木造で建てて生活する事はそれだけでCO2削減に貢献します。
更に木造は他の構造と比較して、製造過程で生じるCO2の量が非常に少なく鉄骨造の1/3、RC造の1/4の少なさです。
国が目指す脱炭素化に貢献し、SDGʼsに取り組む事業者としてイメージの向上にも繋がります。


まとめ
-
建築コストが安い
-
建物が軽く工期が短い
-
建物が軽く工期が短い
-
断熱・気密性が高い
-
火に強い
-
施工性が高い
-
強度・耐震性がある
-
調湿性・吸音性がある
-
環境に優しい

木造はイニシャルコストもランニングコストも他構造より安いので、事業性を確保できます。
耐火性もあり安心で環境にも優しい構造です。


















